お当番さん、ありがとう

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せとやこども園
園長 福與 繁太郎

<園の成り立ち>  当園は2020年4月、藤枝市瀬戸谷地区の私立幼稚園2園が合併、幼保連携型認定こども園としてスタートしました。私はその翌年に小・中学校教員を定年退職し園長に就きました。中山間地の豊かな自然と地域の温かな支援に恵まれた園です。 <幼小中の連携>  瀬戸谷地区ではほぼ半世紀に亘り、幼、小、中学校の合同研修会が続けられています。昨年6月は小学校が研修会場校で、卒園2か月後の1年生の授業を参観しました。  参観した授業は国語。小さい「っ(促音)」の読み方を確かめるものでした。「ねことねっこ」の読み方の違いを主題に、「ばった」「まっと」なども例にあげながら、子ども同士の話し合いで学習は進んでいました。話したり読んだりすることが在園当時から好きだった子は、この授業でも自分の意見を積極的に発表していました。一方で、話す・読むことが苦手だった子は、話し合いの輪にほとんど入れませんでした。 <言語活動>  小・中学校の学習は言語活動に支えられます。手・足を動かす体験活動も大切ですが、言葉を使って考え表現し合うことは、自身の感情や思考を整理し理解や知識へとつながります。また、互いを理解し合うことにもなります。この一連の流れを積み上げると、子どもの心も育ちます。これは乳幼児においても同様かと考えます。 <園でできること>  つまり、保育においてもコミュニケーションは重要です。合同研修会翌日、園の職員会議で改めて次のことを確認しました。  ① 保育者は子どもへの言葉かけと子どもの声を聞くことを大切にする。  ② 子どもが話す場面では、しっかりと話させる。できたときは褒め、自信をもたせる。  例えば、当番園児が「話す」場面があげられました。当園では、毎朝、担任が記した出欠席表(兼給食数表)を当番園児が園長に届けに来ます。  当番園児「〇〇組です。今日の給食をお願いします。」  こんな一言でも、園児には簡単ではありません。それでも当番を何回か繰り返すうちにどの子もしっかりと言えるようになります。そして、しっかりと言えた時には(言えなくても)、大いに褒める(励ます)ように意識しています。ささやかな取り組みが、将来の学びに向かう力の土台となる自己肯定感にもつながればと思います。  何よりも当番園児との遣り取りは私の癒しの時間でもあります。これからも大切にしたいと思っています。

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