双葉幼稚園
横山政遵
園庭で運動会を行っている幼稚園はあると思う。当園では、半世紀ぶりに園庭で運動会を行った。 園児数増加に伴い園庭では手狭となり近隣の小学校のグランドを借り運動会を行ってきたからである。 園児数の減少ということもあるが、本来園庭で運動会を行うことが園児にとって何よりもの思い出となるのではないかと思い園庭での運動会開催に踏み切った。 園庭での開催は、園庭で本当に運動会ができるのか、保護者や家族が見学できる場所があるのか等不安に思う保護者が大勢いた。 正直いって我々も初めてのこと運動会運営などで不安感を抱いていた。 その不安を払拭してくれたのは、父母会会長をはじめとする役員の皆さんであった。 運動会は、園児を中心に考え園児が楽しく出来ること、何よりも子ども達の良い思い出になること、開催場所は関係ない、子ども達の為役員一同運動会成功にむけ協力を惜しまないという暖かい言葉であった 先ず園庭に十メートル×八メートル半径四メートルの半円のトラックを作った。年長児にリレーをさせてみた。これがなかなか子どもたちに好評で園児のリクエストにより三回もリレーおこなった。これで十分ここで運動会ができると確信を持った。 次は、父母会役員に園児たちのリレーや遊戯を見せた。 「小学校のグランドと違いグランドが小さい分臨場感があり子どもたちの一生懸命が手に取るようわかる」 「屋上やベランダで見ると全体が見えて面白い」等なかなかの好評をいただいた。 後は本場に向け、老人席、観覧場所、撮影場所等教職員父母会役員が一丸となって知恵を出し合い保護者の不安を一つずつ解消し万全な準備を行ってきた。 当日十月八日土曜日雨天、延期となった。 延期日当日、晴天秋晴れの運動会日和となった。雲一つない天空に万国旗がはためき、子ども達の真剣な走りに応援する保護者の声、素晴らしい遊戯に大きな拍手が園庭に響き渡った。父母会役員のてきぱきとした競技運営に脱帽。昼十二時三十分全ての競技が終了。 怪我人もなく、親子が手をつないで家路につく後ろ姿にほっとする。 不安と試行錯誤で行った園庭運動会。来年に向けての課題を残しつつも成功に終わることができた。 その陰に父母会役員の皆さんのご理解とご協力、ご尽力があったことが大きい。 さて来年は如何に。