随筆 ~ 向夏 ~

15.06 榛原ふたば「随想」写真

榛原ふたば幼稚園

増田昭夫

 五月に入り、つばめとスズメが園の軒下に巣づくりを開始、下旬頃田んぼに水が引かれるとその土の搬入に特別に忙しくなり遂に完成した様子。
 やがて抱卵の時期を迎えると子どもたちの関心が一気に高まってきた。六月の初旬、雛が生まれ、落下した卵の殻を見て今まで以上に興味を示す子どもたち。
 一方スズメはどうやら赤ちゃんの誕生は無さそうである、あまりにツバメの巣の近くに作ったことが災いしたようである。 鳥たちも夏本番の暑さが来る前にヒナの巣立ちが出来るようにと一生懸命なのだろう。
 梅雨入りして何日経ったろうか。どうも今年の梅雨はそれらしく無い気がする。雨はそこそこに降ってはいるが…何とはなしにらしくないのである。もう少し七月に近づいていくと、梅雨らしい陽気に入っていくのだろうと思う、そうでないと夏野菜をはじめこの時期に成育していくものすべてに悪影響が懸念されるのである。
 さて、今なでしこジャパンが健闘中である(六月二十日現在)決勝トーナメントでも更なる躍進を期待しているファンも大勢いる、WC二連覇も夢でないと思う。
 そんな中、僕の夏の一番の楽しみ…やっぱり高校野球なのである。今年も梅雨明け頃の、七月十一日に静岡大会の幕が開く。広い野球場の外野を白球を追って懸命にグラブを差し出す時の姿・身の熟しや打者走者としてダイヤモンドを駆け抜けていく後ろ姿もピンチに対峙した場面でマウンド上で時に孤独感を漂わせながらも、気力を奮い立たせるかのような形相。 数え上げたら暇ないが、そうした彼らの一挙手一投足の仕草に釘づけとなる僕である。 幼稚園時代に見せてくれたの彼らの姿そのものなのである…身体の大きさ以外。今年は球場に足を運べるだろうか?  彼らの躍動する姿とどまることなく滴り落ちる汗、胸熱くして応援しよう。
 兎にも角にも間もなく夏本番がやってくる。
 何十年か前の暑い夏、伊豆大島を訪れた。 ~ 氷 ~ の文字に魅せられて小さなお店に入った、人の姿が見えない、御免下さい、ごめんください、何度か繰り返したが人の気配さえしなかった。氷は潔く断念し店の外へ出た…夏の暑さに負けずに元気よくセミが鳴いていた。
 「波浮港  店番不在  法師蝉」 
 右、駄句にて筆をおく。