選択保育―「どこでもランチ」 「お話ポッポ」

8月黒田幼稚園

黒田幼稚園

望月 勝

 全職員が協調して、全園児に関わる「一園一学級」を旨とする幼稚園づくりは、本園の経営方針であり、職員の合言葉であります。そのために、教師と一人ひとりの子どもとの関わりを意図的に広げたり、密にしたりして教師自身が一人ひとりの子どもを知ることを大事にします。本園では、登園降園時のバス・徒歩・送迎での教師の分担や、朝・昼・帰りの時間の外遊び等も教師はローテーションを組み、どの子にも関わり、子どもはどの教師にも接することができる機会や場を設けています。朝の打合せでは、子どもの様子を話題として多く取り上げ共有することにより、子ども理解や指導の糧にするようにしています。なかでも、選択保育として位置づけた「どこでもランチ」や「お話ポッポ」は、子どもたちにとって園生活や仲間の輪が広がり、学級担任以外の教師との触れ合いの場にもなり、教師側には多くの子どもを深く知る機会ともなります。
 
「どこでもランチ」は、各学期1-2回実施しています。ねらいは、園児が自由意志により、自分で選んだ場所(12の保育室・ホール・職員室・地階デッキ等)に移動して環境をかえ、交流を深めながら楽しい食事の時間を過ごすことです。学級担任は12の保育室に級外教師はその他の場所を分担し指導にあたります。回を重ねる毎に交流の輪も広がり、新しい雰囲気への挑戦も見られ、担当教師からも個々の子どもの様子が全教師に伝えられその後の指導の仕方を共有することができます。
 
「お話ポッポ」は、毎日の学級担任の読み聞かせに一層メリハリをつけ、子どもたちが自由に選んで聞くことができる選択形式で実施します。一学期は各学年で行い、三学期は園全体で4回実施するものです。特に三学期のお話ポッポは、12の保育室が会場で12人の学級担任と5人の級外が担当します。事前に全園児がホールに集り、一人ひとりの教師が、自分の読み聞かせに使う本を紹介したり、題名を保育室前に貼り出したりして子どもを誘導します。子ども達は、それぞれの教師が示した話や本をみて、自分の行く場所や本、教師を選択して参加意欲もりもり、生き生きとした活動をしています。
 
選択保育は、子ども自らが場所や担任以外の教師を選択して移動しますので、子どもと教師との信頼関係ができないとうまく展開しません。そのために何よりも大事なことは、教師自身が全園児(300余名)の名前や情報をより多く知っていることです。従って、本園では、入園受付や1月末に行う次年度の学級編成や通園名簿づくりに全教師が関わり、観察記録等の引き継ぎと併せて全園児や保護者についての理解を深め、親しみを持って丁寧に対応できるように努めています。