すすき幼稚園
園長 青山丈碩
だんだんと日差しが強くなり、子供達も汗びっしょりで走りまわる季節が訪れました。 すすき幼稚園では、四季の訪れを身近に感じ、自然や命に興味関心を持ってもらうと同時に、郷土愛も育むことを目的として、里山自然教室を毎月開催しています。子供たちが遊ぶ山は、すすき幼稚園専用の山です。敷地に隣接しており、里山教室以外でも、お弁当を食べに登ったり、毎朝のマラソンなどで斜面の駆けのぼりにも使用しています。楽しみながら体力が着きます。すすき幼稚園の里山教室はプロの自然観察員の方を講師にお招きしており、四季折々の遊びや調理を行っています。各学年、クラスごとに行う毎月の自然教室は、おうちの方も来て頂き、楽しい一時を過ごして頂いております。お父さんやお爺ちゃんもここぞとばかりに、子供達に良いところを見せようと張り切っています。 山にはツリーハウスや手作りの小屋などが設置されており、滑車のターザンロープやブランコなども手作りで、とっても味があります。尾根は探検コースになっており、ロープで急斜面を登り降りしたり、頂上から見える富士山や駿河湾の景色を楽しめるようになっております。5月には竹の子が採れました。山の囲炉裏でダッジオーブンを使い、蒸し焼きにしたり、お肉と一緒に炒めて頂きました。子供達は野外調理が大好きで、里山教室で作った料理はすぐに完食してしまいます。春は山菜やタケノコ、夏は夏ミカンやヨモギのてんぷらに枇杷、秋は栗やキノコと、自然から頂いた食材を楽しみながら調理し、頂いています。普段野菜が苦手な子も、この日ばかりはどんどんおかわりします。食材を頂くとき、命を頂いているというお話をすることで食育に結び付ける事が出来ます。また、田植えの時期に田んぼで泥んこで遊ぶ事で、日本人の主食であるお米ができる過程を学び、稲作に親しんでもらえるよう、毎年泥んこ遊びをしています。 子供の頃の楽しかった思い出、美しい古里の記憶は、やはり里山や田畑で遊んだ思い出ではないでしょうか。大きくなって都会で思いだす古里の情景の中に、幼稚園時代に走り回った里山の記憶が、きっと美しく楽しい古里の思い出としてまぶたの裏に映る事でしょう。それは郷土愛に繋がり、郷土や国、ご先祖様や家族を大切に思い、周りの人にやさしく親切になる人格の根幹となると信じています。 これからの教育でも、楽しい里山の思い出を作ってもらえるよう、もっともっと工夫したいと思っています。