智光幼稚園
佐々木快典
「ペンギンさんみたい」 冬の朝は寒いので黒いベンチコートを着て立っていると、子ども達からこう言われることがあります。 私は朝八時半から九時半までの約1時間、登園してくる子ども達を毎朝正門の前に立って迎えています。前園長が何十年も続けてきたことを引き継いで八年目。最初の五年間は、二人で交代して立っていました。私が園長になってからは一人で立つようになり、今年で三年目になります。 毎日登園してきた園児に「おはよう」と声をかけ、手と手をタッチ。年少さんはタッチしようとした手が空振りしたり、私の手にうまく当たらなかったり。年中さんぐらいになると、力いっぱいタッチしてくれるのでこちらの手もなかなか痛かったり。年長さんの三学期ぐらいになると、力を加減してくれる子どもも増えてきます。力いっぱい私の手を叩くのではなく、その手に「おはよう」の意味が込められてくるのを何となく感じます。 タッチしながら「行ってきます!」「おはようございます!」大きな声で挨拶してくれて、正門から幼稚園へ入って行きます。でも、時には行くのを嫌がって泣いてきたり、元気がなかったりすることもあります。毎日のことですから、子どもは子どもで色々あるのでしょう。一緒に並んで挨拶するのを手伝ってくれたり、いろんなことを話しに来てくれたり、跳べるようになった縄跳びを見せてくれたりと、毎日ここで子ども達からたくさん元気をもらうことも数多くあります。 毎日元気に登園してくれることが何よりです。三年目ですが、毎朝ここに立つのが楽しくなりました。十年二十年続けたら、また色々なことが見えてくるかもしれません。その時また何かご報告できればと思います。まだまだ始めたばかり、とにかく毎朝続けることが大事だと思います。 子ども達が今日も一日幼稚園で楽しく元気に過ごせますように。今日も行ってらっしゃい。