万野幼稚園
園長 吉田 智昭
貴重な機会を頂きましたので、微力ではありますがこれまでECEQコーディネーターとしてECEQ?との関わりの中で感じたことなどお話ししたいと思います。 ご存知の方も多いかと思いますが、ECEQ?は幼稚園等が公開保育を実施して、外部の視点を導入することで自園の教育実践の質向上につなげる「公開保育を活用した幼児教育の質向上システム」であり、これまで行ってきた公開保育とは違い、公開園が知りたいことを明らかにして、やって良かったと感じるために、5つのステップをコーディネーターと共に歩んでいきます。 STEP1では、公開園のトップリーダーを訪問して、その園の理念、現状、課題についてお聞かせいただき、園として深めたい事や公開保育に期待する事などをヒアリングします。STEP2ではコーディネーターの進行で現場の先生とワークショップを行い、保育者自身が考える園の良さや課題を明らかにしていきます。STEP3では、STEP2で出た自園の良さを深めたり、課題を解決したりするために、参加者から意見をもらいたい保育の視点を、公開保育当日に「問い」として投げかける文を作ります。この「問い」があることで公開園にとって知りたいことを知ることのできる公開保育になります。STEP4では午前中公開保育を行い、参加者から「問い」に対するフィードバック(付箋紙)を頂きます。午後はコーディネーターが分科会を司会進行し、付箋をもとに話し合いが実りあるものになるように努めて和気あいあいとした話し合いを行い、その後の全体会で各分科会での内容を分かち合います。STEP5では公開保育を通して頂いた意見などを振り返りながらコーディネーターの進行で今後取り組んでいきたい課題を見いだしていきます。 私自身は、長年研修委員を務めさせていただいた経緯から、平成28年度のECEQコーディネーター養成講座へ参加して、コーディネーターの資格を取得しました。また、翌年の7月6日に万野幼稚園が公開園となり、当日は県内から33名の先生方にご参加して頂き、自園の良さや課題について見つめ直す機会を頂くことができました。私自身も外部の意見を聞いて、初めて気づいた自園の良さがあったり、それぞれの保育者が自分の保育へのヒントを頂いたり、本当に「やって良かった公開保育」と思います。また、園内研修でも時間が限られた中で、付箋やホワイトボードを活用する方法が自然と職員間に根付いたように思います。 県の研修事業「公開保育による研修」通称「公開保育を活用した幼児教育の質向上システム(ECEQ?)」は、毎年4園程の加盟園が取り組んでいます。年度当初はコロナ過にあって、正直に言うと本当に実施できるのか不安でしたが、おかげさまで3園のECEQが終わり、今月には最後の1園が公開保育を行います。実施園はもとより、参加した先生にとっても良い研修になり、同じ幼児教育を行う仲間として公開園と一体感を感じる素敵な研修会です。稚拙な表現でしたが、少しでもECEQ?に興味を持っていただくきっかけになってくだされば幸いです。