3年目を迎えるに当たって

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認定こども園 東海大学付属静岡翔洋幼稚園

園長 江﨑雅治

 2019年4月より東海大学付属静岡翔洋幼稚園及び小学校の校園長に着任しました。35年以上中学・高等学校の教員をしていましたので、幼稚園は未知の世界でした。幼児教育経験の浅い私にこのような場をいただけたこと感謝申し上げます。そこでこの2年間の経験を踏まえ、見えてきたことをお伝えできればと思います。
 まずは着任後、悩んだのは、園児たちとの距離感でした。元々子どもが好きで教員になった私ですが、0歳児から5歳児との関係となると長年の経験は、全く役に立ちません。しかし子どもはすごいものですね。着任数日後、園庭を歩いていると、一人の園児が黙って私の手を握りました。「んっ?」と思いその子の顔をのぞくと、「園長先生、遊ぼー!」と声をかけてくれました。その時、なんと小さくて、温かい手なんだろうと感じたことを今でもはっきりと覚えています。どうしていいかわからず途方にくれていた私に気付いての行動だったかもしれません。「あっ、こんな小さな子どもに助けられた。」 恥ずかしい話ですが、涙が出そうになりました。その時以来、子どもたちに自分から接していこうと決心し、今に至っています。そして、こんな畑違いの園長に何ができるのかを探すことにしました。一緒に遊んだり、お話をしたりしているうちに、何となく自分なりに見えてきたことがあります。幼児教育は根っ子をはぐくむという言葉を聞いていたのですが、それが一体なんなのか疑問に感じていました。幼・小・中・高の指導要領の内容は、基本的に同じです。しかし教育する対象者、教育アプローチは全く異なるものです。では果たしてこの年代の子どもたちにどのような教育が必要なのか、私なりに考えました。幼稚園の教育は〇×のない教育、小学生になるとYES/NOがはっきりしてくる教育、中高になるとそれらが点数化される教育に変化していくといくことです。では幼稚園でしかできないものは何か、厳密に言うと小学校までに習得するべきものが何かが見えてきました。それは、一言でいえばレジリエンス(回復力・反発力)です。この力があれば、子どもたちは大人になっても、自分で自分の人生を切り開いて幸せになることができるのではないかと考えました。この力を養うためには、頑張る力(あきらめない力)、転んでも起き上がれる力(何事に対しても)、挑戦する力、自分を信じる力、達成感などではないか。これらは、経験上中学生以上ではなかなか育成することが難しいと思っています。私は、自園の先生方と子どもたちにそのような機会を多く作るよう心がけています。