クリスマスに大切にしたいもの

12月山田先生

めぐみ幼稚園

園長 山田典子

 今年もカレンダーが最後の1ページとなり、いよいよクリスマスがやってきます。子どもの頃を振り返ってみると、クリスマスを待つ喜びは格別なものがありました。靴下を枕元においてサンタクロースを待ちわびたものです。今年こそはサンタクロースを見届けようと頑張ってはみるものの、結局は眠ってしまい、目を覚ますと枕元に「一番欲しいなー」と思っていたプレゼントが置いてあって、どうしてそれがサンタクロースに分かるのだろうと、不思議でたまりませんでした。
 ほとんどの子ども達は「サンタクロースは本当に存在する」と信じています。「将来子どもがサンタクロースの真実について知る時がきたとしても、それは夢を失うことにならない」と、児童文学者の松岡享子氏は言っています。心の中のサンタクロースが住んでいたところは、決して空き家にならず、次に子どもが愛し信じる人がそこに住むというのです。子ども達が夢を持ち、それをふくらませていくことがクリスマスの持つ意味の一つと思います。「サンタクロースっているんでしょうか」と新聞社に問い合わせをしたアメリカの少女を思い出します。
 人を愛したり信じたりすることは目には見えません。しかし、人間として生きていく上で最も大切なことです。目に見えるものしか信じられない心もちだったとしたら、とても心貧しく哀しいことです。夢を持ち続ける子どもに成長してほしいと願います。
 キリスト教主義の当園では、クリスマスを迎えるまでは心の準備も含めて、お互いの心が温かくなり、喜びに満ちるときです。保育室はヒイラギやリースで飾られ、礼拝はローソクの灯りでクリスマスの賛美歌を歌い、イエス・キリストの誕生のお話を聞いて、普段とは少し違った雰囲気の中で行われます。
 クリスマスを待つ、お正月を待つ、誕生日を待つ、遠足を待つ……いろいろな「待つ」ことがあります。しかし私達の日常生活の中に「待つ」という行為が大変少なくなっています。電子レンジや携帯電話、メールの普及で何事も瞬く間に完了してしまいます。子ども達の生活を考えても「待つ」ことが苦手になっているようです。
 カナダでは友人や家族、祖父母からいただいたクリスマスプレゼントを、クリスマスツリーの下に置き、25日の朝まで絶対に包みを開けることはできません。子ども達は毎日自分宛のプレゼントの数を数えながら、クリスマスの朝を待つそうです。「待つ」ということを意識して過ごすことができたら、より大きな期待を持ってクリスマスが迎えられるでしょう。子ども達の心に一生涯のよき思い出となるクリスマスにしたいものです。