こどもの安全を考える

1803 すすき幼稚園①

すすき幼稚園

青山 丈碩

 教育・保育現場の安心安全がクローズアップされるようになって久しくなりました。少子化による1世帯ごとのこどもの平均人数が年々減少し、とうとう平成28年には出生数が100万人を割るという現状にあり、社会の存続に直結する危機感もあってか、こどもの安全を社会全体が危惧するようになりました。昭和の時代は学校での安全よりも学校や家庭の外、つまり交通や犯罪に対する安全が主題でありましたが、犯罪も減り、交通マナーも向上した現代、その安心安全の要は教育・保育の現場へと移行してきました。幼稚園や保育園では安心・安全が大きなテーマとなり、説明会などではその言葉を耳にしない場所は無いと言っても過言ではないでしょう。もし幼稚園や学校などで大きな怪我があれば、間違いなく世間の厳しい目にさらされ、ネットなどで散々叩かれる可能性もあり、現場は非常に気を使って毎日を過ごしています。
 こどもを心配する親心と、それに答えてきた教育・保育現場。遊び場の減少も手伝って、その結果こども達はどうなったでしょうか。一概には言えないまでも、たくましさは失われつつあるのではないでしょうか。膝小僧を擦りむいても「舐めときゃ治る」と言われた時代のこどもたちは、自分の身を自分で守っていました。これ以上やったら危ない、というさじ加減を、上級生や友達、または自身の実体験から学んでいたあの時代は今では昔となりました。徹底的に安全を追及した場所にいたこども達がその外に出たらどうなってしまうのか、想像に難くありません。
 こどもの命を守るということは、決してその場だけの安全を確保することだけではなく、人に守ってもらわなくても自分を守れる子、自分で判断して危険を回避できる子に育てていくことが必要です。そんなこどもに育つためには、怪我や失敗は経験しなければいけません。小さな怪我を少しずつ経験することで、大きな怪我を回避できるようになることが、結果的に命を守ることになります。日々の小さな怪我はあって当然という認識が社会に広がれば、こども達はたくましさを取り戻し、社会がたくましさを取り戻すことに繋がるのではないかと信じています。