教育の理想は 優れた幼児教育から

教育の理想は 優れた幼児教育から

加藤学園幼稚園
副園長 佐藤 誠一

 加藤学園幼稚園は今年55周年を祝う年です。題とした『教育の理想は 優れた幼児教育から』という言葉は、初代園長加藤ふぢの言葉です。  加藤ふぢは明治19年に沼津に生まれ、当時の男尊女卑の世の中を変えるためには、女性に高等教育を受けさせる必要があると考え、明治の時代に船でアメリカに渡りアメリカの大学の学位をとった人物です。大正時代の最後に沼津に淑徳女学院を開校し、女性の高等教育に尽力しました。  40年以上女性の高等教育に携わった訳ですが、高等教育では遅いのではないかという疑問を持ち、いつから教育を始めることが良いのかを模索したところ、結論として、幼児教育からと考えるようになりました。  1967年加藤学園幼稚園が開園されました。  以来、加藤学園建学の精神である「至誠」の精神で、「21世紀に生きる創造性豊かなたくましい人づくり」を目標に、「個性の尊重」、「自発・創造性の涵養」、「国際理解」の3つの柱を掲げ、オープン保育(園児が自ら課題を見つけ、主体的に取り組む保育)を進めてきました。  こどもたちの一日は、オープンスペース(オープン保育を実践する為の空間)に用意された遊び(課題)から自ら好むものを選び、創意・工夫をしながら、ものづくりに集中することで始まります。3年間を通じた富士山をテーマにした保育や、兄弟・姉妹のように年齢の枠をはずした保育で豊かな人間性を養うことにも力点をおいています。そして、そこには、いつもこどもたちの無限の可能性を信じる熟達した保育者たちがより添っています。  開園当初から早期英語教育も始めました。1994年にスタートした英語イマージョンプログラムは英語で保育することにより自然に英語の習得もでき、また、国際感覚も身につけています。こどもたちは楽しくその環境に浸り、新しいことをごく自然に習得していきます。  55年にわたり培ってきた『子どもが主人公』の姿勢を、さらに発展させていく年にしようと日々の保育に取り組んでいます。 ※コロナ禍の前の写真です。

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