年輪のように

年輪のように

まどか幼稚園・すみれ台幼稚園
橋ヶ谷 斎

 幼稚園を一つの会社として考えたときに、経営する目的はなんだろうと疑問に思うことがありました。絶対の正解はないと思いますし、会社それぞれにあるかと思います。私たちまどか幼稚園・すみれ台幼稚園の経営目的の一つとして「みんなが幸せになること」を掲げています。  参考にさせていただいている会社は、「遠きをはかり、ゆっくり成長する経営」をされている『かんてんぱぱ』で有名な伊那食品工業株式会社さんです。「社員を大切にし、幸せになるような会社作りをし、社会貢献すること。家族の幸せを願うように、会社も社員にそうあるべきだ」ということを大切にされています。ゆっくり、確実に毎年成長していく経営が、年輪経営と呼ばれています。木は、環境により幅は変わってきますが、毎年年輪を作り、少しだけ成長します。成長を止めず、確実に年輪を一輪ずつ増やしていきます。  これまでの自分たちを振り返ると、園児数や施設・環境に一喜一憂していたこともあり、経営状況も年輪ではなく自転車操業と言ったほうが近いようでした。目的を掲げてからは、時間の使い方や環境作り、職場の仲間や人との関わり合いなど、周りに対しての思いやり・心配りがこれまでと変わってきました。笑顔で働いている姿を見たり、笑顔で丁寧に対応されたりすれば嬉しくなります。幸せになるために難しいことをするのではなく、ちょっとしたことを意識できるかどうかだと思います。  まどか幼稚園は来年設立50周年を迎え、ずいぶん経ったように感じますが、遠きをみれば、まだ50年。今だけしか考えない人作りや環境作りではなく、将来、地域に根差す大木のような幼稚園として、少しずつ成長し、愛される幼稚園であり続けたいと思っています。

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