地域に愛される幼稚園に

地域に愛される幼稚園に

六合幼稚園
園長 太田 裕子

 公立の幼稚園から移管され、15年が経ちます。六合地区に唯一の幼稚園です。園児もほぼ六合地区の小学校に入学します。幼稚園の隣りには、中学校があります。そのせいか、卒園生がよく遊びにきます。『先生~!元気?』こんな感じです。遊びにくると思い出話になります。『つくし、天ぷらにして食べたね~』とか『プールに机運んで、すべり台にして遊んだね』など。  私が担任をしていた時には、子ども達が興味を持ったこと、楽しめそうなこと、思いついたらすぐ実行!園庭の隅で発見したつくし、誰かが『食べれるんだよ』と一言。クラスでどうしたら食べれるのかを調べ、給食室の先生に相談。何日かかけて、園庭でつくし探し。クラスみんなの分が採れると、給食の先生にお願いしにいき、特別に天ぷらにしてもらいました。  誰かが『プールにすべり台あると楽しいな~』そこで、クラスみんなで、プールまで机を運びました。短いすべり台でも大はしゃぎ!ただ、机の脚に水が入り、なかなか抜けなくて数日、外に出さなければならなくなったのは、予想外でした。(笑)  自分達で考え、実行できた経験をしていった園児にとって幼稚園は、素敵な思い出の場になっているようです。もちろん、保護者にとっても同じ場のようです。懐かしくなると『先生、会いに来たよ』と入ってきます。入学式・卒業式が終わると、制服で大きくなった姿を見せに来てくれます。成長した姿をみると、嬉しくもあり、少しくすぐったい気持ちにもなります。  地域の方からも、『幼稚園の子は、元気が良くて、挨拶ができるね』と声をかけていただきます。玉ねぎやさつま芋の収穫、栗拾い…気軽に誘っていただきます。地域の夏まつりや文化祭にも参加させて頂きます。子ども達にとって、なかなかできない経験を地域の方に支えられながらさせて頂いています。  少し前に、お散歩中の園児の列に車が飛び込んだ事故がありました。その時には、地域の方から『園児が出かける日がわかれば、僕たちが出て誘導するよ』と声をかけて頂きました。地域の方にも、守られている子どもたちは、どんなに幸せなことでしょう。  今現在、新型コロナウイルス感染防止の為に、今はなかなか地域に出ていくことは難しくなっています。地域の高齢者の方に『子どもの笑顔に元気をもらえた』と話しかけられたことがあります。子ども達の笑顔・元気な声を地域の方たちに届けられる日を待ちながら、これからも、地域との繋がりを大切にしながら、愛され続ける幼稚園でありたいと思います。

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