心を込めた生活

心をこめた生活

学校法人静岡豊田学園静岡豊田幼稚園

園長 宮下友美惠

 


「みんなが持っているもので、目には見えないけれど大切なものって何?」


ある日、私が子どもたちにそう尋ねると、一人の5歳の女の子が「こころ!」とうれしそうに叫びました。隣にいた男の子も「それならぼくも持ってる」と、自分の胸を押さえてにっこりしています。

 私たちは誰でも心を持っています。心そのものを目で見ることはできません。しかし、心は何かを通して表されます。心を込めると、ものや姿のなかにその人の心が表れてくるのです。

 子どもたちの生活のなかには、心を込めたものがたくさんあります。園庭に落ちている花びらや葉っぱを一生懸命集め、きれいに飾って作ったケーキ。「お母さんは桃色が好きなんだ」と言いながら心を込めて作ったかわいいネックレス。何日もかけて、丁寧に磨いたピカピカの泥団子。うまく飛ぶようにと改良を重ねて作った紙飛行機。その一つ一つを見ていると、それを作っているときの子どもたちの心が自然に表れてきます。遊んでいるときの子どもたちの声や表情、指先の動きからも彼らの心が伝わってきます。子どもたちは何と真剣に、心を込めて、毎日を生きていることでしょう。心を込めるということは、何かの中に自分の心を十分に注ぎ入れることですが、そのことによって心自体も満たされていきます。子どもたちは、心を込めて生活することで、心が豊かになっていくのです。

 子どもたちと共にいる私たち大人はどうでしょうか。日々の忙しさや煩雑さのなかで、どうしても心を忘れてしまいがちですが、同じ時間をかけて、同じことをするのならば、心を込めてしてみましょう。何かが変わってくるかもしれません。

 心を込めて子どもたちの話をきいてあげましょう。心を込めて話かけてあげましょう。あなたの頷く仕草や優しいまなざしから、あなたの心が子どもたちにきっと伝わるはずです。子どもたちはお母さんやお父さんが大好きです。心を込めて抱きしめてあげてください。きっと子どもも、あなたのことを心を込めて抱きしめてくれることでしょう。