先生の涙

R112富士

さくら台幼稚園

大嶽正孝

 以前、さくら台幼稚園で「音楽とリズムの会」が開かれました。その時のこと、年少児の女の子の踊りが終わった途端、担任の先生が感極まった様子で、目頭を押さえました。踊りが終わった園児たちは不思議そうに先生の顔をのぞき込んでいます。
 新人の、この先生は多分、3歳の子どもたちが大勢の観客の前で上手に踊ってくれるか、心配で心配でたまらなかったのでしょう。観客席から大きな拍手が起きました。これは今、踊り終わった園児への拍手であるとともに、先生の子どものことを真剣に思いやってくれている気持ちへの、感謝の拍手であると思いました。
 有名な壺井栄の小説『二十四の瞳』の大石先生は貧しい子どもたちの話を聞くたびによく泣くので「泣き虫先生」とあだ名をつけられました。子どものことを思う先生と、その先生を慕う子どもたちの心が一つになって、あの小説や映画が読む者、観る者に深い感動を与えたのだと思います。
 「音楽とリズムの会」が終わった後、多くの保護者から感想が寄せられました。この「先生の涙」を見た、ある保護者は「どの子もみんなとてもかわいかったです。成長したなぁ・・・とつくづく想い目が潤んでしまいました。気がつくと担任の先生も泣いていました。その姿にまた目頭が熱くなってしまいました。娘の人生で最初に出会った先生が、いい先生で本当に良かったと思いました」と書いてありました。
 また、別の母親は「『音楽とリズムの会』に感動しました。もちろん、わが子のがんばりとかわいく踊っている姿に涙が出る思いでしたが、なにより先生の涙! それだけ子どもたちに思い入れ、一生懸命指導してくれた結果の、愛情のこもった涙に、私も主人も感動していました。本当に先生に拍手!でした。そこまで子どもたちのことを思ってくださっていることは、いろいろな可能性や伸びる力を持っている子どもたち預けている親にとって一番うれしいことであり、一番望んでいることと思います。こんなに情のある、すばらしい先生に出会えた事に感謝です」とありました。