ユウ君と自動販売機

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あすなろ幼稚園

園長 坂本佳一

 今日も中庭の草取り園長。そこへおとなしい年中のユウ君、1人でエンチョの所に。「ジュース買おう。お金持ってきた。忍者の里に行こう」…。忍者の里とは、浜北にある公園。昨日、そこへあそびに行きました。気温は28℃。「暑い!アイスが食べた~い!」と子どもたちと自動販売機を見つけあそび。「あったー!」と、ジュースの自動販売機にむらがります。早く買って!と、子どもたち。

 エンチョが、さっそうとポケットの中に手を突っ込むと、十円玉1個だけ。「それでジュースが買えるよ!」と大騒ぎの子どもたち!(?) 十円玉を入れて、ボタンを押します…押します…もちろん出てきません。「あーあぁ~」

 その日の降園バス。ママの待つ園バスのバス停に降り立つユウ君。開口一番「ママ!あした忍者の里にお金持って行ってジュース買う!だから、お金ちょうだい!」ママさんも、それは無理と、いろいろ話したのですが、譲りません。そんなに言うならと十円玉1つ、あげたそうです。でも、何を思ったかユウ君、自分の貯金箱から一円玉を取り出して、その2枚を持って登園。ママさんからの、そのいきさつが書かれた手紙つきで…

 「忍者の里へ今日は行かないなぁ」と言うと、うつむくユウ君。すごすごと部屋へ戻っていきました。でも、あのユウ君が、自分の思いを実現させようと、自分で親に交渉し、エンチョに自分で交渉してきたのです。(これってチャンスだよね!) お弁当の前にちょうどテラスを歩いていたユウ君を見つけたので「さっき、手紙を出しに行ったらさ、近くに自動販売機があったんだ。どうする?」と聞くと「ジュース買いたい」とユウ君。「それじゃ、みんなには、ないしょだよ。お弁当食べたらエンチヨのところにおいで」と言うと、ニコッとうなづいてスキップしながら部屋に戻っていきました。

 しばらくしてユウ君がクツと2枚のコインを持って職員室に。幼稚園からこっそり抜けて、2人で手をつないでルンルン。隣の公園の前を通って15メートルほど行くと、見えてきました自動販売機。10円玉をひとつ自動販売機に入れて、ボタンを押すユウ君。何も出てきません。1円玉も入れます。

 でも、1円玉は戻ってきてしまいます。困り顔のユウ君。そこでエンチョが、ズボンのポケットを振ると、チャリンチャリン♪ ニヤニヤのユウ君。自販機に投入。お目当てのジュースをゲット!みんなに見つからないように、隣の公園で2人で乾杯!「おいしいね~!!」とニコニコのユウ君。そうそう、ユウ君、1円玉を百円玉だと思ったんだって。なるほどー!笑笑。

*写真「残ったジュースは、冷蔵庫に入れて、あした、また乾杯しよう!」だって。