子どもたちと一緒に

子どもたちと一緒に

しらゆりこども園
園長 白井 祐子

 コロナ禍で、史上初めて一年延期となった東京オリンピック。開幕直前まで、いろいろな問題が続き開催をめぐる世論が大きく分断される中にもかかわらず、開会式はさすが日本!と感動した。日本のアスリートたち、特に若者たちの活躍は目ざましいものがあったと思う。獲得したメダルの数は、金・銀・銅を合わせ史上最多の58個。その内、女子種目の金メダルは14個!思わずテレビの前で声援をしたくらい力が入った。コロナ禍悪化の 傾向もある中で、世界中から集まった選手が熱戦を繰り広げた17日間、アスリートたちの笑顔と、開催にあたり支えてくださった方への感謝で幕を閉じた。1964年の東京オリンピックのこと(当時高校生だった)はあまり覚えていないのに、今回はなぜこんなに感動したのか…と不思議である。  ふと我に返り園庭を見ると、子どもたちがバケツで友だちと水をかけ合い、遊んでいる間に泥場となり、寝転がっていたり、会話をしながら水と泥の感触を思いっきり楽しんでいる。砂場では、保育者が大きく掘った穴にじょうろで水を入れ「わあー池ができた!」と喜んでいると、一人の男の子が「バシャーン」と飛び込んでくる。そこから違う遊びに展開する。女の子たちは、大きなタライに水をはってお風呂に入る。それだけでは満足できず、どこからか石鹸を持ち出し洗濯ごっこ。一方、プランターの花の整理をしていた私から花がらをもらい「色水あそび」が始まる。いろいろな色水がそろったら、ジュース屋さん・かき氷屋さんごっこに発展し、2歳児まで合流して輪が大きくなる。乳児たちは、藤棚の下の浅いプールで思い思いに水あそびを楽しむ。保育者等のちょっとした働きかけで子ども主体のあそびを生み出し、子どもたちの好奇心・探求心が培われていくのだと思う。子どもたちが楽しみながらできるよう声をかけたり、素材を提供したりあそびを支えていくことが保育者の役割であり、そのためには心に余裕をもって向き合うことが大切だと思う。  まだまだ続くコロナ禍の中でも、中止・短縮となる行事はあるが「今だからできること」を子どもたちと一緒に楽しみながら充実させ、健康・安心・安全をキーワードに、子どもたちの成長を信じて一日一日を大切に過ごしていきたいと思う。

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