・ ・ 花咲月の子どもたち ・ ・

・ ・ 花咲月の子どもたち ・ ・

平島幼稚園
園長 岡村由紀子

 今年は久しぶりに寒さが厳しく‘冬らしい冬’となり、ほっとしつつも春の訪れを楽しみにする大人と違い、子どもたちは、もう一足先に春色に染まっています。 それは、「こんど○○だもん!」と言う大きくなる喜びのエネルギーが、子どもたちの心を一杯にさせ、キラキラ輝いているからです。 1月…来年入園するお友達が遊びに来る事を知って、劇やお店屋さん、クッキー屋さんを計画して楽しんだ一日入園。子どもたちは、春から自分が大きくなる事を意識する1日となりました。 2月…鬼から子どもたちを食べに行くと手紙がきて、‘勇気のある子の肉はまずい’事を知って、恐い心に揺れながらもみんなで戦う事を決める年長組。「恐い子は、守ってあげる!」と必死に戦う姿は、年中、年少の憧れとなり、無事に鬼を退治して春を呼び込んだ子どもたちの笑顔は、達成感が溢れていました。 3月…そして、今、大きくなった姿をおうちの人に見せたいとそれぞれの学年がはりきって歌・劇・音楽・美術…とたくさんの表現活動を自分たちで計画する子どもたちは、大きくなることに憧れる意欲的な姿で輝いています。 特に年長は「前は泣いていたけれど、ちゃんと言葉で言える」「叩いたりしたけど、今は話を聞ける」「困っていたら‘どうした?’ってきいてあげられる」…と、大きくなっている自分を実感し言葉で表現する姿が見られます。 大きくなる事を楽しみにする発達の原動力が全開すると、今までやらなかった事も“○○みたくなりたい”と挑戦したり、逆にコントロールしたり、立ち止まったり(思考する)など…素敵な力が発揮するのですね。(余談ですが、この憧れは、年齢が加算していく事を自覚する大人には、ちょっと嬉しくなく‘年とともに減っていく能力’では?なんて思っていますが) この時期、1年前の我が子を想像しながら向かい合うのもいいですね。 その手助けに、おたよりやノートも読み返してみるのもいいでしょう。 きっと大きく心を育てた我が子が見えてくる事請け合いです。 我が子の素敵な心を見つけ『出会えてよかった』『生まれてくれてありがとう』と子育ての喜びを夫婦、家族で語り合ってみましょうね。 きっと大人の心も素敵な春色に染まるでしょう!

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