「心揺さぶる!!」を目指して

「心揺さぶる!!」を目指して

てるみ幼稚園
園長 柿野 敏和

 幼稚園で育てたいものは、たくましさと優しさと、最低1人の仲の良い友達を作ることです。 また、日々の生活の積み重ねで育つものと、日々の生活から離れた出来事から育つものがあります。 教師たちは、いずれにしても、子どもたちの心を揺さぶりたいと考えています。  かなり心揺さぶられる行事の1つにてるみキャンプというお泊まり保育が あります。 年長組全員がドキドキワクワクの2日間を過ごします。その中でも、最大のイベントが肝試しです。 常盤公園へのピクニック、青葉公園での水遊び、スイカ、プール、カレーづくり、花火、キャンプファイアーが終わり、就寝前のクライマックスです。  お化けの部屋には、暗がりの中にライトアップされたお岩さん、フランケンシュタイン、骸骨、ちょうちんお化け、くも、ネズミやサソリなどがいます。  BGMがヒュウ―、ドロドロと流れています。  正面に、蛍光色の猫のお面の白いシーツのお化けが首を時々傾けています。  猫お化けの前のお手玉を持ち帰れば水鉄砲、持ち帰れなくてもチャレンジすればスーパーボールをゲット、パスすれば何も無しです。やりたい子からチャレンジです。  部屋を覗いたとたんダッシュで逃げ帰る子、大人もひるむ怖さに泣き出す子、お手玉が見つけられずお化けの後ろに回ろうとする子など様々です。 今年は、31人中、男6人と女2人が成功!!でも、全てのチャレンジに温かい拍手が!! 就寝中、寝言で「怖い―!!」と叫ぶ子も。   てるみキャンプが明けると、幼児だった子ども達の顔が少年、少女の顔になっていました。   3月の卒園文集で、「幼稚園で一番の思い出は?」の欄に最も多く登場するのが「肝試し」なのです。 だから先生達は「やめられないね?」とつぶやくのです。 眼鏡が曇り、蚊にさされ、暑いシーツをかぶりながら子供の表情を覗う園長も、秘かにニヤリと頷きます

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